「産学連携」による実践的な学び

広島経済大学では、官公庁・企業団体などと連携協働し、教育の質を高め、地域社会に貢献することを目的に取り組みを行っています。

産学連携事例1:細井 謙一ゼミ×オタフクソース株式会社

地元産業界と連携した実践的PBLを含む授業科目の実施

経営学部経営学科の細井謙一教授のゼミナール(2・3年次:プレゼミ、演習Ⅰ)の学生らが、ゼミ活動の一つとして、毎年オタフクソース株式会社の協力を得て、オタフクソースへのマーケティング活動の改善提案に取り組んでいます。このマーケティング研究会は2023年度で6回目となります。
2023年度は、新型コロナウイルスが5類へ移行し、外食需要や観光需要が回復しているものの、移行前から続く物価高や人手不足など、アフターコロナの新たな課題をどう乗り越えるかが課題となりました。地元お好み焼業界の活性化のために、ソウルフードを自分たちの若い感性で盛り上げたいと、学生は4チームに分かれ、店舗を訪問してヒアリング調査を実施しました。研究会当日は、オタフクソース株式会社から3名のご担当者をお招きし、冷凍お好み焼きの専門販売店を運営することで人手不足の中でも拡販をはかる施策や、お好み焼きの外国語ガイドを作成し、外国人観光客に対する接客教育を代替する方策などを、インタビュー取材やアンケート調査をもとに、地域に密着し、お好み焼き店の実情に合わせた提案が行われました。学生らしい新鮮なアイディアであるだけでなく、しっかりとした調査の裏付けがあり、また実現可能性が高い提案であったと評価をいただきました。当日は、ヒアリングにご協力いただいたお好み焼き店からの参加もあり、貴重なご意見をいただくことができました。また、これらの提案は、ご協力いただいた店舗にも報告されます。
※本学とオタフクソース株式会社は、2019年11月包括連携協定を締結しています。

 

産学連携事例2:藤谷 則夫ゼミ×広島県世羅町

世羅町の農業振興による活性化調査

広島県世羅町の農業が抱える問題について、本学経済学科の藤谷ゼミが解決策を提言する目的で、調査・研究を行いました。
6月から調査を開始し、世羅町の全面的な協力のもと、世羅高原農場や世羅幸水農園、JA尾道市世羅営農センター、夢高原市場などの現地調査を実施。また、世羅町産業振興課の方など、多くの関係者にインタビューを実施し、現場の生の声を集めました。
世羅町は、農業所得の低下や農業者の高齢化と担い手の減少、販売先の確保が難しいなど、多くの課題を抱えているが、県内の主要農業地域として位置づけられ、6次産業ネットワークの構築や農事組合法人の設立に取り組むなど、農業振興の先進的なモデル地区として県内外から評価されている地域でもあります。このような世羅町の現状に対し、現地調査をもとに先進事例を活用して「農作物の転換」、「生産性(IoT)」、「人材育成」、「地域ブランドづくり」、「農業マーケティング」における 5 つの提言をまとめ、2月には世羅町役場の方々などを招いての報告会を開催しました。

 

産学連携事例3:藤谷 則夫ゼミ×しょうばら産学官連携推進機構

地域活性化PBLの実践

2020年度コロナ禍の中、本学経済学科の藤谷ゼミが、しょうばら産学官連携推進機構の産学官連携事業として依頼を受け、利用者が減少している芸備線及び庄原駅と庄原駅周辺地域の活性化を目的とした調査を行いました。
現地視察や関係者へのインタビュー、地元住民へのアンケートを実施し、ダイヤグラムや鉄道設備、自治体の役割や観光プランなど広範囲にわたる検討を行い、短期・長期の活性化に向けた取り組みを提言。
12月25日には、庄原駅周辺地区まちづくり協議会に対しての報告会を実施。まちづくり協議会の他に庄原市役所などからも参加があり、提言に多くの関心が寄せられました。今後もまちを元気にする取り組みを地域に発信していく予定です。また、調査した内容は、授業内で詳細にまとめ上げ、実に100ページにわたる報告書を作成。第7回地域活性化中国・四国支部研究会においても、研究成果として発表されました。
(2020年12月23日 大学オフィシャルサイトTopicsで掲載済)

 

産学連携事例4:石川先生と食育に関心のある学生×新庄みそ株式会社

共同開発した、簡単・適量・美味しい「ゼロから始めるみそlife!!」を発売

石川明美教授(経営学部経営学科)と食育に関心のある学生が、新庄みそ株式会社と連携し、若者目線の新商品開発や若者への口コミ効果による消費拡大を目指しました。
定例会議を月1回行いながら、学生へのアンケート調査やスーパーでの店舗視察をもとに、パッケージデザインや販売方法について、学生目線のアイデアを盛り込んでいきました。若者に興味を持ってもらいやすくするために、カラフルな色を採用し、豆知識のクイズをプリントしたパッケージの即席みそ5個セットの個包装連結タイプ商品「ゼロから始めるみそlife!!(149 円税込)」を考案。2019年5月より販売開始しました。
また、若者がよく立ち寄る菓子売り場や飲料売り場にも置き、「ついで買い」の陳列方法を提案。「ついで買い」の傾向調査を行うためテストマーケティングを行いましたが、若者によるついで買いの傾向はみられないことが判明しました。
他にも、開発した商品をより広く周知するために、SNSを用いたキャンペーンを企画しましたが、実施するには至りませんでした。しかし、9,000個製造した即席みそは、地元スーパーであるフレスタの各店舗で販売し、2019年5月から2020年3月までの販売実績は約8割の7,000個以上に達しています。

 

産学連携事例5:石野 亜耶ゼミ×田中電機工業株式会社

スマートフォンアプリ「Bucci A HIROSHIMA」の開発を目指し、その根拠データとなる行動分析を担当

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて外国人旅行者の増加が見込まれていますが、外国人旅行客に必要な情報を提供するインフラ整備が十分になされているとは言えません。
そこで、石野亜耶准教授(メディアビジネス学部ビジネス情報学科)と石野ゼミナールの学生は、欧米豪からの訪日外国人を対象に、広島の観光情報を提供したスマートフォン用アプリ「Bucci A HIROSHIMA」を開発した田中電機工業株式会社と連携して、Flickrの画像データを利用した訪日外国人の行動分析及びTripAdvisorの口コミを利用した訪日外国人の不満点を分析し、居住国別におススメするスポットを変えること等の改善策を提案。本学から提出した分析結果データを基に田中電機工業株式会社が検証を重ね、スマートフォン用アプリが完成しました。

 

過去の連携事業実績

広島経済大学と包括的な連携協定先一覧

連携先 協定締結日 連携内容
広島市安佐南区社会福祉協議会 2023年8月23日 ・ボランティア活動の推進
・地域活動やまちづくりの推進
・大学生の人材育成に関する分野等
株式会社サンフレッチェ広島 2021年1月31日 ・次代を担う若者の教育・人材育成に関すること
・スポーツ分野の学術研究に関すること
・スポーツ普及及び振興に関すること
・地域の産業の振興及び地域の活性化に関すること
・その他 相互に連携することが必要と認められる事項に関すること
一般財団法人お好み焼きアカデミー 2019年12月17日 ・地域経済活性化に関する連携協力
・産業活性化に関する連携協力
・共同研究等に関する連携協力
・大学生の教育支援と人的交流の促進等
オタフクソース株式会社 2019年11月25日 ・地域経済活性化に関する連携協力
・産業活性化に関する連携協力
・共同研究等に関する連携協力
・大学生の教育支援と人的交流の促進等
新庄みそ株式会社 2018年6月20日 ・地域経済活性化に関する連携協力
・産業活性化に関する連携協力
・共同研究等に関する連携協力
・大学生の教育支援と人的交流の促進等
田中電機工業株式会社 2018年5月1日 ・地域経済活性化に関する連携協力
・産業活性化に関する連携協力
・共同研究等に関する連携協力
・大学生の教育支援と人的交流の促進等
公益財団法人中国地域創造研究センター 2017年3月24日 ・地域経済活性化に関する連携協力
・産業活性化に関する連携協力
・共同研究等に関する連携協力
・大学生の教育支援と人的交流の促進等
一般財団法人ひろぎん経済研究所 2017年3月24日 ・地域経済活性化に関する連携協力
・産業活性化に関する連携協力
・共同研究等に関する連携協力
・大学生の教育支援と人的交流の促進等
広島市信用組合
社団法人全国信用組合中央協会
2009年3月26日 ・地域経済活性化に関する業務協力
・産学連携にかかる具体的な方策
・大学生の教育支援等
広島市安佐南区役所 2008年12月5日 ・まちづくりの推進、教育・文化・スポーツの振興及び健康づくりの推進
広島銀行 2005年12月20日 ・地域経済活性化に関する業務協定
・ベンチャー・ビジネスに対する投資・融資支援等
・技術相談や共同研究等に関する業務協力