- 11/25/2022
- 社会・地域
本学では、教育ネットワーク中国、広島市、公益財団法人広島市文化財団と広島県内の各大学との共催によりシティカレッジ(公開講座)を実施しています。2022年度は、「続『ウィズ・コロナ』時代の社会~私たちの生き方を考える~」と題し、まちづくり市民交流プラザ(広島市中区袋町)において、11月1日(火)から11月22日(火)まで4回にわたり開講しました。
第1回 11月1日(火)「COVID-19を通じた働き方の変容: テレワークの光と影」
講師:宮辻 渉准教授
前半は、テレワークの類型、効果、限界について解説し、テレワークについての理解を深めました。後半は、ICTを通じて我々が監視対象となる監視社会につながる可能性を、管理と配慮の二つの視点から読み解いていきました。受講者からは「テレワークの表面だけではなく、利用することでどのようになるのか、具体的に理解できました」「仮想空間でのテレワークの話題が非常に興味深かったです」といった感想が聞かれました。
第2回 11月8日(火)「真価が問われる行動経済学:新型コロナ危機をきっかけに何が変わったのか」
講師:山根 智沙子准教授
近年、注目を集めている「ナッジ(nudge)」をテーマに、行動経済学の考え方を身近な例を取り上げて講義を行いました。利他性や損失回避といった人間の特性を理解することで、行動経済学的手法を用いてどのように行動変容を起こすことができるのか、受講者と意見を交わしながら、解説していきました。受講者からは「身近なところにちゃんと経済学的な発想が使われていることを知ることができた」「意識していなかった社会現象を新たな視点でみることができました」といった感想が寄せられました。
第3回 11月16日(水)「コロナ禍におけるメンタルヘルス」
講師:上手 幸治准教授
コロナ禍における「病気・不安・差別」の3種類の感染症やそれらの予防の大切さについて説明し、メンタルヘルスをケアする方法を臨床心理学的に解説していきました。また、マインドフルネスの基本的態度について呼吸法などのワークを実践しながら、より理解を深めていきました。受講者からは「ワークがあり学びが深まった」「今現代ここに意識を集中させる大切さ、マインドフルネスの重要性をより理解できました」といった感想がありました。
第4回 11月22日(火)「『病』と仏教」
講師:渡辺 郁夫教授
前半は、病気と仏教について、後半は、他界観との関係について講義を行いました。原始仏教から始まり、日本や中国で成立した仏教、近年の仏教ホスピスに至るまで、仏教において「病」と「死」がどのように受け止められてきたのかを、東洋医学的な医学観も踏まえながら解説しました。受講者からは「このコロナ禍に改めて生老病死ということを考える機会をいただきました」「仏教の流れを系統立てて講義していただけた点がとても参考になった」といった感想が寄せられました。