本学地域経済研究所が、お好み焼き業界における新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する実態調査を実施し、2021年4月の追加調査結果報告をしました。

6/18/2021
社会・地域 教育・研究

地域経済研究所(所長 細井謙一教授)では、新型コロナウイルス感染拡大が、広島のお好み焼き業界に与えた影響に関する実態調査を2020年4月より継続的に実施しています。この度、これまでの4月、8月、12月報告に続き、ちょうど調査開始して丸1年となる2021年4月分の調査結果を発表しました。

お好み焼きは、広島の戦後の復興を支えたソウルフードであるだけでなく、飲食業・観光業を中心に広島の経済を支える大変重要な産業です。本調査は、この重要な産業の現状を把握し、窮状の打開策を見出すために、広島市内のお好み焼き店を対象にご協力いただき、実施しています。今回の調査対象は、広島市内のお好み焼き店813店舗。調査にご協力いただいたお好み焼き店の皆様、大変ありがとうございました。

今回の調査では、売上、商品構成、顧客構成など、これまでの調査と同一の項目を継続調査し、過去の月次調査と今回の調査の計4回の調査結果の推移についても分析を行いました。
例えばコロナ禍前の2019年同月との売上比較では、2020年4月度には平均で56.7%まで落ち込んでいたものが、8月度には71.8%まで回復し、12月度には66.5%と再び落ち込み、2021年4月度には80.1%と再び回復するという推移が見られました。それでも76.92%の店舗で売上が2019年同月実績を下回っており、依然苦しい経営状態に置かれている店舗が多いことがうかがえます。

また、高業績店舗(売上が2019年同月比の平均値である80.10%以上)と低業績店舗(売上が2019年同月比の平均未満)の比較も実施。低業績店の特徴は、お好み焼き以外の料理やドリンクの比率が高く、店内飲食の比率も高く、席数が多いということがわかりました。中区と中区以外の店舗でも比較したところ、中区の店舗の売上が2019年同月比で65.46%と、他の区の平均85.98%を大きく下回っており、中区の店舗の商品構成や顧客ターゲットから見ても同様の理由が業績不振の原因になっていると考えられます。この業績格差は、2020年4月度の調査からの4回全ての調査で顕著であり、中区の業績回復が遅れた状態が続いていることから、業績格差が固定化することが懸念されます。

さらに、1年間の店舗の利用のされ方が、コロナ禍前の2019年と比べてどのように変化したかを尋ねた店舗利用形態に関する調査結果では、「多人数の宴会」や「夜間(飲酒中心)の利用」が大幅に減少し、「少人数の会食」と「夜間(食事)中心の利用」はやや減少する一方で、「一人客の食事」や「昼食時の利用」はほぼ同じであることがわかりました。2019年と比べて増加した利用形態はなく、低業績店は高業績店と比べて減少の度合いが大きいという結果となりました。

詳細は、以下の報告書をご参考ください。

報告資料

本調査は、今回で終了する予定ですが、今後も状況に大きな変化があった場合には、追加の調査を実施する予定です。
また、地域経済研究所では、2020年4月の第一回調査から今回の調査までの計4回の調査について、締め切り後に届いた追加データなども含めた、確報版の調査報告書を刊行する予定です。

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